ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第15番」−−癒しとやすらぎの音楽
第14番と並んで、この第15番も大好きな作品だ。静かに厳かに始まる出だしからしてよい。そして主題も魅力的。
第2楽章もよい。後期のベートーヴェンはあの「第九」がそうだが、第2楽章をスケルツォにすることが多いのだが、この曲のような流れのある感じもよいと思う。
そして、極めつきは、何と言っても第3楽章だ。それこそ厳粛に始まる主題。冒頭を聴いただけで、あっこれは大変な楽章になるという感じが沸き起こる。
「感謝の歌」とも言われているらしい。ベートーヴェンが病から治ったその時の感謝の心を歌にしたのだとか。
実に美しく内省的な旋律。第2主題も魅力的な旋律だ。神聖な気持ちにさせてくれる。 第4楽章の主題は明るい。ベートーヴェンの晴れやかな心が伝わってくるような旋律だ。
演奏は、これもスメタナSQが一番よい。まあこれほどの曲になると、どのSQで聴いても期待はずれに終わることはないが、スメタナの内省的でいて晴朗な演奏がよい。特に第3楽章の「感謝の歌」の深さという点で、他のSQを抜きん出ていると私は聴く。
これで録音が、東京SQのように優秀なら完璧なのだが、その点だけが惜しい。と言って、変にステレオチックな録音より増しだし、音もCDで聞いても特に固いという程でもない。録音に難があるというわけではない。ただ、最近の録音の優秀な点は特筆すべきなので、欲をもつだけの話だ。
とにかく作品そのものは卓越しているので、初めて聴くと、その感銘度はかつて体験したことのない程に感じられる深いものがある。 で、何度も聞きこんでいっても、魅力は増すことがあっても、飽きるということがない。 正に、「癒しとやすらぎ」というテーマをそのまま音にしたような作品だ。








